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設立の手続き|大阪でのスタートアップ

日本市場への参入

外国事業者が日本市場に参入する際の形態として、通常、以下の4種類があります。

  1. 駐在員事務所
  2. 支店(法律上は“外国会社の日本における営業所”と呼ぶ。なお、本稿では以下「支店」と表記する。
    また、会社法では日本における営業所を設置する場合と、設置をしない場合とが規定されているが、
    ここでは、営業所設置の場合について説明するものとする。)
  3. 会社(日本法人)
  4. 有限責任事業組合(Limited Liability Partnership; LLP)
1. 駐在員事務所

一般に外国企業は情報の収集や提供のために日本国内に駐在員事務所を自由に開設することができます。外国為替及び外国貿易管理法(以下「外為法」)上、このような事務所の開設は、承認、届出、登記などの手続きの必要はありません。また、駐在員事務所は、契約行為はできませんので、法人税の課税対象とはなりません。

駐在員事務所の一般的な事業活動

仮に、駐在員事務所が上記図に列挙されている事業活動以外の活動を日本で行おうとする場合、駐在員事務所は、支店開設もしくは日本法人設立に必要な手続きをとらなければなりません。

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2. 支店
(1) 支店設立登記

外国会社が日本において取引を継続して行う場合は、必ず日本における代表者を選任しなければならず、その登記を行うことが会社法第817条及び第818条で定められています。また、外国会社が日本企業を相手にしてビジネスを行う場合、日本に営業所を設けることが多く、日本支店としての営業所設置の登記を行うのが最も一般的です。この登記をすることによって、法務局にて登記事項証明書を入手できるので、日本国内での法人の存在が明らかとなり、市中銀行にて法人の銀行口座を開設することもできます。 支店設立の登記申請には、商業登記法第129条の規定により、次の書面が必要です。

  1. 本店の存在を認めるに足りる書面(外国における商業登記簿謄本など)
  2. 日本における代表者の資格を証する書面
  3. 外国会社の定款、その他外国会社の性質を識別するに足りる書面
  4. 外国会社として公告方法を定めている場合はこれを証する書面

上記の事項につき在日外国領事や外国の公証人等、権限のある官憲の認証を受けなければなりません。しかし、上記1.-4.の必要事項を記載した「宣誓供述書」等に、権限のある官憲の認証を受けた書面にて、登記申請することも可能です。

登記された支店長(日本における代表者)は支店全体を代表し、追加的な社内の承認なしに独力で第三者との取引の締結を、支店として行えます。しかし、支店長の退任や新たな支店長の就任等、登記事項の変更は、その毎行わなければなりません。 また、外為法にもとづき、例外事項を除き、原則として支店開設後に、日本銀行経由にて財務大臣及び各事業所轄大臣に「支店等の設置に関する届出書」を開設の日から起算して15日以内に提出することが必要です。

(2) 支店設立登記の一般的な流れ

01

日本における代表者の選任と営業場所の決定
(日本における代表者の少なくとも1人以上は日本に住所を有することが必要)

02

支店登記に必要な書面の準備
(例えば、在日外国領事による宣誓供述書の認証等)

03

法務局へ支店設置登記申請

04

登記事項証明書等の取得

05

日本銀行経由所轄大臣への支店設置届出

06

市中銀行にて法人口座開設

07

税務署及び地方自治体への法人設立届出


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3. 会社(日本法人)

外国事業者による日本の会社の設立については、外為法の下で「国内直接投資」として扱われます。そして、「支店の開設」と同様に、設立後(株式取得の日から起算して)15日以内に届出をする必要があります(場合によっては設立前に届出が必要なこともあります)。

2005年6月に日本の国会において、現在の商法等の規定を大きく修正する「会社法」が成立し、2006年5月1日から施行されました。
会社法の下では、企業は株主の責任と管理に応じて大きく二つの種類に分類されます。一つは株式会社。そして、もう一つは持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)です。

  • 株式会社は、その企業の債権者に対して、出資額を限度とした有限責任を持つ株主によって構成されます。
  • 合名会社は、その企業の債権者に対して、無限責任を持つ出資者によって構成されます。
  • 合資会社は、有限責任を持つ出資者と無限責任を持つ出資者で構成されます。有限責任を持つ出資者の責任は、その企業に対しての出資額を限度とします。
  • 合同会社は、今回の会社法の成立によって定められた新しい企業の形態で、その企業の債権者に対して、有限責任を持つ出資者によって構成されます。この合同会社は、出資者の有限責任と柔軟な経営構造を組み合わせたアメリカのLLC(有限責任会社)と類似した形態です。

会社法の下では、新たに合同会社の設立を認めたことから、小規模なビジネスを行う為に、設立や組織の簡略化が認められていた有限会社は新たに設立する事は出来ませんが、既存の有限会社は特例有限会社として存続します。なお、商号変更の手続きを経て、 特例有限会社から通常の株式会社に移行することも可能です。

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4. 株式会社と合同会社の設立

日本国内で独立した法人格を持ち、開設に際して法定の役員(機関)又は代表者を設置する必要があります。
外国投資家が有限責任として利用できる会社形態には、株式会社と合同会社(LLC)の2種類があります。
このほかにも会社法では、小規模な会社を想定した合名会社、合資会社が定められていますが、合名会社や合資会社は無限責任社員が必要となるので、外国会社がこの形態で対日投資を行うケースは少ないようです。

(1) 株式会社

会社法では、株式会社設立時の最低資本金に関する制限はありません。従って、1円のみの出資払込みにより、株式会社を設立出来ます。一方、会社法では純資産の額が3百万円以上ない場合は配当を禁止されています。

株式会社は資本金の額又は、負債総額により大会社と大会社でない会社(以下「中小 会社」と表記する)とに分けることができ、また、会社が発行する株式の全部や一部に対して株式譲渡制限を設定するのかしないのかにより公開会社と公開会社でない会社(以下「非公開会社」と表記する)とに分類されます。

大会社 資本金5億円以上もしくは総負債額200億円以上
中小会社 大会社以外
公開会社 全部又は一部の発行可能株式に対して、譲渡制限を付していない企業
非公開会社 全ての発行可能株式に対して、譲渡制限を付している企業

会社法の下で、取締役・代表取締役・取締役会・監査役や会計参与などの内部機関は株式会社の種類によってより柔軟に決定されます。

(2) 株式会社設立登記の一般的な流れ

外国事業者が株式会社を設立する為に必要な手続きは以下のとおりです(会社法による株式会社設立の方法としては、発起設立と募集設立がありますが、ここでは一般的に最も利用頻度の高い、発起設立による会社設立で説明します。)

01

定款作成

02

外国会社が発起人の場合は、定款への署名は外国会社の代表者が行い、会社代表者の資格証明書(例えば、外国の権限ある官憲の認証した署名証明書等)を準備する

03

日本の公証人による定款認証

04

発起人が定めた銀行等への出資払込み

05

発起人による設立時取締役及びその他設立時役員等の選任

06

設立時取締役による設立時代表取締役の選定
(設立時取締役の少なくとも1人以上は日本に住所を有することが必要)

07

会社設立に関する設立時取締役等による調査及び設立日の決定

08

法務局への株式会社設立登記申請

09

登記事項証明書等の取得

10

日本銀行経由所轄大臣への株式会社設立届出

11

市中銀行にて法人口座開設

12

税務署及び地方自治体への法人設立届出


(3) 合同会社設立の一般的な流れ

株式会社や合同会社の設立、登記にあたっては法的な問題が介在するため、専門家による法律相談や支援を受けることをおすすめします。

01

定款作成

02

外国会社が社員の場合は、定款への署名は外国会社の代表者が行い、会社代表者の 資格証明書(例えば、外国の権限ある官憲の認証した署名証明書等)を準備する

03

社員による出資払込み (社員は外国会社も認められる)

04

執行社員及び代表社員を定めること
(代表社員の少なくとも1人以上は日本に住所が必要)

05

法務局へ合同会社設立登記申請

06

登記事項証明書等の取得

07

日本銀行経由所轄大臣への合同会社設立届出

08

市中銀行にて法人口座開設

09

税務署及び地方自治体への法人設立届出


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5. 有限責任事業組合(Limited Liability Partnership; LLP)
(1) LLPの特長

日本の民法には組合及び組合契約を行うことは認められていますが、組合員の責任は無限責任であり、一定の場合を除き、一般的にはあまり制度として利用されていませんでした。
2005年8月に新たに「有限責任事業組合契約に関する法律」が施行され、組合員となる出資者が出資する金額の限度においてのみ事業上の責任を負う、有限責任の組合事業制度ができました。
この制度の特長は、契約で内部組織の運営と事業の損益配分を事由に決定でき、また、組合組織ということで、構成員課税が認められます。
一定の方式に従って主たる事務所の所在地において登記を行います。但し、LLPから株式会社などの会社には組織変更はできませんので注意が必要です。

(2) 有限責任事業組合設立の一般的な流れ

01

有限責任事業組合契約の締結

02

外国会社が組合員の場合は、契約書への署名は外国会社の代表者が行い、会社代表者の資格証明書(例えば、外国の権限ある官憲の認証した署名証明書等)を準備する

03

組合員による出資払込み

04

法務局への有限責任事業組合登記申請

05

登記事項証明書等の取得

06

日本銀行経由所括大臣への有限責任事業組合設立届出

07

市中銀行にて法人口座開設

08

税務署及び地方自治体への法人設立届出


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6. 株式会社・合同会社(LLC)・有限責任事業組合(LLP)の比較表
形態 株式会社 合同会社(LLC) 有限責任事業組合(LLP)
会社法人格 有り 有り 無し
出資者 株主 有限責任社員 有限責任組合員
必置機関 株主総会・取締役 (社員の合意) (組合員の合意)
業務執行者 代表取締役等 業務執行社員 業務執行組合員
資本金 金額制限なし 金額制限なし 金額制限なし
持分譲渡 原則自由 社員の承諾 組合員の承諾
定款変更 株主総会の特別決議 総社員の同意 全組合員の同意
登記 有り 有り 有り
構成員課税 無し 無し 有り
構成員一人での存続 できる できる できない
他会社形態への組織変更 可能 可能 不可能
他株式会社との合弁 可能 可能 不可能
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