進出企業紹介

Interview

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インタビュー

カナダ領事館

大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2011.03.24
カナダ領事館
大阪は多くのバリューチェーンの中心である
カナダ領事館
領事兼通商代表
アラン・エドワーズ 氏
Q自己紹介をお願いします

私はアラン・エドワーズと申します。名古屋駐在のカナダ領事です。東京のカナダ大使館と連携し、東海・関西・四国を管轄しています。

私は17年間にわたり通商代表を務めています。これまでに、東京、アメリカ、名古屋、そして大阪に駐在しました。大阪で過ごした時間は本当に、本当に貴重なものでした。大阪での時間が特に素晴らしかったのは、皆さんが大変暖かく私を迎え入れて下さったからです。また、すぐそばに山があるということも良かったと思います。大都市に住むという数々の素晴らしい利点を享受しつつも、少し足を伸ばせば自然がすぐそこにあり、山へ川釣りに行ったり、山の周辺を散策したり、大変楽しい思い出となっています。

Q関西の印象は?

私は関西が本当に好きです。そして大阪が大好きです。住み始めてすぐに、本当にすぐに好きになった場所です。関西で最も魅力を感じたのは、何と言っても人だと思います。関西の人は日本の他の地域の人達とかなり違って、大変ダイレクトで純粋です。

さらに、関西の人は他人に率直さや誠実さを求めます。それが私にはとても新鮮に感じられました。日本の他の地域の人達が正直ではないと言っているわけではないのです。ただ大阪に来ると、それが非常に明確な違いとして感じられるということです。私も、私の家族も、大阪に非常に暖かく迎え入れて頂いたので、この地での経験はいつまでもとても大切に思っています。

Q大阪でのビジネスについて

私は世界中のいろいろな場所で仕事をしてきましたが、大阪で素晴らしいと感じたことは、皆さんが仕事にかかるときの姿勢です。ここは日本です、つまり人間関係が非常に大切ですし、細かい儀礼的なこともまだまだあって、それらを受け入れることが要求される国です。しかし大阪では、皆さんが「ノー」「イエス」を躊躇なく、口にするということをいつも感じます。どんどん取引内容を分析し、検討して、「これは良いですね」とか、「この取引は無理ですね。どうすれば良くなるでしょう?」と率直に言ってくれます。いつまでたっても答えが出ない、というようなじれったいことは起こりません。大阪ではそう言うやり方はしないのです。ここではビジネスが非常に単刀直入に行なわれ、大変に爽やかなのです。

カナダ領事館は大阪商工会議所と非常に良好な関係にあります。共に多くの行事を運営してきました。例えば、経済使節団の受け入れも、共同で行ないました。また、たくさんの講演会も共催してきました。前国際貿易大臣・前外務大臣であるデビッド・エマーソン閣下をお招きした講演会も関西カナダビジネスアソシエーションと大阪商工会議所の協力を得て開催したものです。

Q大阪・関西とカナダとのビジネス交流について

関西には、2500人ぐらいのカナダ人がいて、いろいろな組織に属しています。関西カナダ協会、関西日加協会、日本カナダ会があり、それに関西カナダビジネスアソシエーションなどがあります。私が大変面白いと思うのは、これらの組織の活動が、様々な関係の少しずつ違った面をそれぞれカバーしていることです。概して、セミナーやビジネス促進活動、カナダ領事館の活動のサポートといったビジネス活動は、日本カナダ会と関西カナダビジネスアソシエーションが中心となっています。

また、私たちはカナダの企業と関西拠点の企業、特に大阪拠点の企業をつなぐために、できる限り多くの情報を共有するように努めています。実際、私たちのつながりで最も重要なものはこのようなビジネスベースのものではないかと考えています。

言うまでもなく、日本と関西は非常に優れた科学技術、特に燃料電池・環境テクノロジー・製薬・消費者製品の中心であります。これらの技術は多くのカナダ企業が取り入れたいと考えているものですし、多くのカナダ企業がそこから利益を得る可能性があるものですから、こういった企業間関係が強く保たれるように努力しています。

Q外国企業へのメッセージをお願いします

ビジネスの観点から言いますと、世界は、必然な流れとしてどんどん小さくなってきています。グローバルなバリューチェーンはどんどん強固になっています。ある企業、例えばカナダの企業が、成長してこれらのグローバルなバリューチェーンに関わっていこうと望めば、日本に目を向けないわけにはいきません。日本にはこれらのバリューチェーンの中心が非常に多くあるからです。ご存じの、トヨタ・パナソニック・NTN・クボタなど、よく知られているバリューチェーンの中心が日本にあり、その中で、パナソニックとクボタというバリューチェーンの中心は大阪にあるのです。ですから、もしビジネスを成長させたい、もっとグローバルになりたいと思うなら、日本に来ることを考え始めるべきです。特に市場成長の目覚しいアジアでパートナーを見つけることを考えるべきなのです。日本は中国と非常に深い関係を持っています。非常に深くて強固で、その上に長く続いている関係です。そして、日本を大きく一つとして捉えてから各地域に目を向けると、実際、中国との最も強固な関係は、おそらく関西に根差しているものだろうと思います。ですからビジネスを成長させたいと思うなら、そして、世界の人々に新しい技術をもたらし、誰もが解決の努力を続けている問題に対して新しい答えをもたらすようなバリューチェーンに加わりたいと思うなら、大阪、日本、そしてアジアの企業にパートナーを見出だすべきだと思います。