進出企業紹介

Interview

進出企業紹介

インタビュー

テュフ ラインランド ジャパン株式会社

大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2012.08.28
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
大阪・関西には、高性能バッテリーや太陽光発電といった
新エネ産業の集積がある
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
代表取締役兼最高経営責任者
アジア太平洋地域最高責任者
ミヒャエル・ユングニッチュ 氏
Q テュフ ラインランド グループについてご紹介をお願いします。

テュフ ラインランドは試験・検査・認証サービスのリーディングカンパニーです。現在、世界65カ国に18,000名の従業員がおり、今年は創業140年目を迎えます。 グローバル市場で販路を開拓しようとするお客様に市場へのアクセスをご提供し、その製品が世界のどこへ行っても確かな安全性と品質を持っていると認識されるためのお手伝いをしています。

Q テュフ ラインランド ジャパン株式会社、特に関西テクノロジーセンター(KTAC)のご紹介をお願いします。

テュフ ラインランドは、70年代の終わりに、日本に事務所を開設しました。比較的小さなチームから始めて、現在では横浜に大規模な試験施設を持つまでに成長しました。大阪にも20年前から拠点がありましたが、この度、大阪がリードする産業をサポートする為に2つ目の大型試験施設である関西テクノロジーセンター(KTAC)を設立しました。この関西テクノロジーセンター(KTAC)は独自の試験能力があります。高性能バッテリー試験と一口に言っても、例えばリチウムイオン電池は分極密度が非常に高いので、かなり綿密な安全および性能試験が必要ですが、そのためには試験設備も特殊で大規模なものが不可欠です。この規模でのサービスを提供できるのは、唯一ここ関西にあるKTACだけとなっています。

Q KTACが稼動して3ヶ月が経ちますが、この選択に満足されていますか?

新しい試験施設が稼動し始めてから現在で3ヶ月、非常に好調です。この地を選んだことに非常に満足していますし、新規のビジネスが増えていることに関しても大変喜ばしく思っています。バッテリー試験を以前は横浜で行っていましたが、現在のようにお客様の近くに拠点を置くことがこれほど有利なのだということも分かりました。新規の取引先もたくさんできましたし、良い評価も頂いており、新しいビジネスも生まれています。 太陽光発電(PV)試験については、日本では6年前から行なっていますが、大阪に来たことで市場に近くなりました。また7月に日本政府が固定価格買取制度を施行しました。それに合わせ、システムでの評価という新しいサービスも開始しています。これは日本の電力網に実際につないで送電を検証するものです。

Q 大阪を選んだ理由をお聞かせください。

それにはいくつかの理由があります。まず、私は15年前関西に住んでいたのですが、その時に、大阪人は生まれつき「商売」の心が備わっており、決断も早く、大阪の人とは非常にビジネスがしやすいと感じたのです。ドイツ人の私にとっても。
しかしそれよりも大きな理由は高性能バッテリーや太陽光発電(PV)といった特殊な工業製品メーカーの大多数が関西にあることです。太陽光発電製品の70%が関西で製造され、また電池メーカーの80%が関西に拠点を置いています。
また、この地域での技術革新への意識の高さも理由です。これらが私たちの大阪進出を決定付けた主な要素ですが、実は他にも理由があります。弊社が日本に来て30年以上経ちますが、これまで主要な検査施設は横浜だけにしかなかったのです。しかし、2011年3月の大震災をきっかけに、事業継続管理のため施設の分散の必要性を感じたのです。
大阪にも施設を設けたことで2箇所に主要な検査施設を持ち、もしまた別の災害が起こったとしてもサービスの提供を中断せず、顧客をサポートできます。

Q 行政の援助についてお聞かせ下さい。

大阪府と大阪市、大阪商工会議所、そしてもちろんO-BICから受けた援助については非常に感謝しております。補助金だけでなく、施設の立ち上げや広報面のサポートもして頂いたほか、取引先の開拓にも協力頂きました。

Q 日本企業に対してメッセージをお願いします。

テュフラインランドは世界で認められているトップクラスの認証機関です。当社のサービスを利用することで日本企業の海外への進出が容易になります。テュフ ラインランド の認証は国際的に受け入れられており、パスポートの役割を果たすわけです。元々日本は輸出国ですから、我々はグローバルマーケットの可能性の紹介、及び認証サービスを通じて日本企業の製品や設備の輸出をサポートします。

Q 大阪への進出を考えている外国企業にメッセージをお願いします。

日本進出を検討中なら本部を東京に置くことが最も一般的だと思いますが、大阪も常にビジネスが活発な所です。特に、即断即決が重要な文化を持つ国の企業なら、大阪は最適な土地です。政府機関や企業・団体の本部の多くが東京に集まっていますが、一方で大阪のビジネスも盛んであり、日本の第二のハブと言えます。特に外国企業はこの地域の重要性に気づいてこなかったと思いますが、関西のビジネスは活況を呈しています。

テュフ ラインランド ジャパン株式会社
設立 1983年
本拠地 ドイツ(ケルン)
親会社 TÜV Rheinland Group
事業内容 電子・電気機器、自動車等工業製品の安全試験、認証
日本への進出について 1978年 日本駐在員事務所開設
1983年 テュフ ラインランド ジャパン株式会社設立
1992年 横浜ラボラトリー、西日本地域担当オフィス開設
2005年 テクノロジーセンター(GTAC)開設
2009年 太陽光発電評価センター(SEAC)開設
2012年 関西テクノロジーセンター(KTAC)開設
URL http://www.tuv.com/jp/japan/home.jsp