進出企業紹介

Interview

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インタビュー

株式会社アクティブゲーミングメディア

大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2014.07.11
株式会社アクティブゲーミングメディア
大阪に移転して、いい人材に恵まれています。
株式会社アクティブゲーミングメディア
代表取締役
イバイ・アメストイ 氏
Qアクティブゲーミングメディアについてご紹介ください。

アクティブゲーミングメディアは、6年前の2008年に設立しました。最初は東京で設立し、2年目に大阪へ移転しました。何をしている会社かといいますと、基本的には日本のポップカルチャーの3つの軸であるマンガ・アニメ・ゲームを海外に持ち出すにあたって必要なすべてのことをサービスとし、日本のゲーム会社に販売しています。具体的には、言語を海外の言語に合わせたり、グラフィックを海外のゲーマーに気に入ってもらえるようなテイストに変えたり、また決済システムやサーバーなど、全てを一括で日本の業者に販売しています。

Qイバイ社長ご自身について自己紹介をお願いします。

私は1977年生まれの36歳で、国籍はスペインです。大学を出てすぐに日本に来ました。日本に来た理由は「ゴルゴ13」というマンガが大好きだったからで、はじめはゲームにはそれほど興味がありませんでした。しかし日本に来て、マーベラスエンターテイメントというゲーム会社に勤めることになり、その仕事がとても気に入りました。アクティブゲーミングメディアを立ち上げ、独立してからは、その会社で習ったことを仕事にしています。

Qなぜ移転先に大阪を選んだのですか?

基本的に我々は日本のゲームを海外に持ち出す仕事をしていますので、作業するスタッフはほとんど外国籍です。もちろん営業の分野には日本人がいますが、実際の仕事では100パーセントと言ってもいいくらい外国人が携わっています。日本にいる外国人は、東京と大阪では全く違います。例えば軽い気持ちで日本に行ってみたいと考える外国人は、必ず東京に行きます。大阪をわざわざ選んでくる人たちは、本当に日本が好きで来ている人たちです。それだけ日本が好きなので、滞在期間も圧倒的に長いというわけです。そのようなデータを見たわけではありませんが、我々は少しでも長く働いてくれる外国人を雇用したいと思い、大阪を選びました。神戸も少し考えましたが、都市の規模として大阪の方が断然大きいことと、カプコンやSNKプレイモアなど歴史のあるゲーム会社もすごく多いという点で、大阪は自然の選択でした。

Q外国人スタッフはどのように採用しているのですか?

おそらく全ての会社はきっちりとした採用計画を持ち、今季はこういう分野の人材を採用するというように計画を立てて雇用をしていると思います。しかし弊社の場合は、分野がゲーム産業ということ、また海外のゲーム産業は急激的なスピードで変わるということを考えると、長期的な人事の採用計画は残念ながらできません。もちろん英語、アメリカには常にニーズがありますので、きっちり雇用しています。しかし、例えば明日からインドネシア語の人材が3人必要というようなことがよくあります。そのような時は、基本的に大学に行ったり、ハローワークや派遣会社などに連絡しています。その際の採用の基準はただ一つで、どれだけゲームのことを分かっているか、それに限ります。今まで、特定の言語の人材を募集して採用できなかったということはありませんでした。見つけるのに時間がかかったことはありますが、やはり大阪は京都や神戸が近いこともあり、たいていの人材は現れます。

Q大阪に移転した後、ビジネスに変化はありましたか?

採用自体を、低コストで回せるようになりました。スタッフに対する賃金という意味ではなく、いい人材に恵まれたということです。東京では、賃金ももちろんもう少し高くなりますが、それよりも会社を辞める人の割合が大阪よりも高くなります。現在、人材の定着率は、この業界にしては極めて高く、仕事のノウハウの構築も東京にいるときに比べたら圧倒的に向上したため、結果として品質がすごく良くなりました。つまり、顕著な変化として作業品質の向上が挙げられると思います。

Qビジネスをする上で大阪と東京には違いがありますか?

これは言っていいものかどうか分かりませんが、大阪だけでなく関西には基本的にクレーマーが多いと思います。購入するものに対して、とても厳しい意見を持つ方が多いので、商品を作る職人は必ずいい品質を追求して、お客様に渡さないといけません。そういった意味で、我々は大阪にいることにより、つねに品質だけを考えてやってきました。

Qゲーム産業において日本と外国には違いはありますか?

90年代に、日本はゲーム産業を引っ張ったというより作り上げました。ところが、最近ではIP(Intellectual Property)、要するにキャラクタービジネスにこだわり、海外に比べてゲーム性に関して、少し劣るような気がします。今、海外ではIPにこだわらず、もっと面白い機能がついたゲーム性の高い商品を作ろうとする傾向が見受けられます。そういった意味で、海外にうまく展開したいと考える日本企業はもはやIPに頼らず、もっとゲーム性のことを考えてもらいたいと私は思います。例えば「スーパーマリオ」のゲーム性は本当に素晴らしい。さらにその上にIPが良かったので、みんなに愛されるゲームになったのです。やはり最初にゲーム性があるのだと思います。ゲーム性があってこそ、素晴らしいゲームが生まれるのです。日本の企業にはもう一度その原点に戻って頑張ってもらいたいと思います。海外市場で本気で勝負をしたい会社はまずIPを捨てて、面白いものをゼロから作る必要があると思います。

Q関西の住みやすさについて教えてください。

まずご飯がものすごく美味しいと思います。安くて美味しいものを食べられるのは、大阪だと思います。また、車に20分くらい乗れば、海や山といった自然もありますので、東京に比べて圧倒的に住みやすいところだと思います。私はスペインのある港町で生まれたのでずっとヨットやウィンドサーフィンをやっていました。日本国内では、大阪や神戸の方がその環境が整っています。今から東京に行って、大都会の中で生活することは考えられません。

Q大阪進出を考える外国企業にメッセージをお願いします。

私は「ゴルゴ13」が好きで日本に来たくらい、本当に日本のIP、いわゆるキャラクターが大好きです。ですから、日本に来る前にも色々と調べました。日本人はこういう人種で、日本の会社文化はこのような文化で、これは必ず守らないといけないといった情報がありました。でも、実際に来てみると、日本も海外と全く変わらないと思いました。もちろん商品も違えば、使う言語も違います。でも結局、ものを作る人たちの気持ちや会社の中のルールは全く海外と同じです。ですから言いたいのは、あまり事前に考え過ぎず、まずは日本に来てゲームを覚えて、あとはとことんやるしかないと思います。またゲーム産業以外、つまり会社社会での違いは、日本は約束をきっちり守るという文化です。支払いや納期がきちんと守られることから、海外に比べれば仕事をしやすい環境だと思います。

株式会社アクティブゲーミングメディア
代表取締役 イバイ・アメストイ
設立 2008年4月
本社 大阪
事業内容 世界各国のゲームソフト・マンガ・アニメ・エンターテイメント等のローカライズサービスを提供
URL https://activegamingmedia.com/