進出企業紹介

Interview

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インタビュー

株式会社センターオフィス

大阪に活力をもたらす企業家へのインタビュー 2018.12.17
株式会社センターオフィス
大阪は情熱をもらえる街。ビジネス環境だけでなく、子女教育環境も良い
株式会社センターオフィス
代表取締役
姚 力 氏
Q姚社長ご自身について、自己紹介をお願いします。

最初は1989年3月、その頃中国で留学ブームが起こり、私もそれに乗りました。福建生まれですが、福建からはたくさん来ましたね。私は父親の友人の紹介で留学に来ました。まず日本語学校で勉強し、それから大学で勉強しました。卒業後は商社で働きました。何年か働いた後、みんなは学業を終えて帰国を考えるようになり、私も貿易で日中の橋渡しをすることを自分の使命とし、貢献したいと思っていました。そのような大きな流れとともに、私も、国に戻ったほうが自分の人生にとってよいのではないか、日本で得た知識を発揮しやすいのではないかと考えました。そして帰国して数年、家族ができ、国内の環境や教育の問題から、また日本に戻ることを考え始めました。

Qなぜ大阪を選んだのですか?

留学も仕事もずっと大阪なので、大阪の街をよく知っていて、大好きだったからです。この街は、ただ生活するだけではなく、生活を楽しめる街です。悩む時も、喜ぶ時も悲しい時も、この街では必ず情熱をもらえ、後ずさりせずに前へと進んでいける、頭の中にはずっとそういうイメージが焼き付いています。それで今回日本に戻る時も、絶対に大阪にしたかったのです。友人たちには、なぜ東京にしないのか、東京は首都圏でビジネスチャンスも多いよ、とよく言われます。でも、大阪で発展していくのもいいんじゃないでしょうか。とはいえ一番は、大阪という土地に深い愛着があるからです。

Qなぜこのビジネスを始めたのですか?

最初は私の専攻でもあった輸出入貿易をやろうと思っていました。来てみると、どこから手を付けたらよいのかわからず、しばらくは戸惑いました。その後、商機にもめぐりあい、友人の紹介や、自分の大阪の社会に対する観察も加わって、様々な困難を乗り越え今の事務所を借りるに至りました。その時に大阪商工会議所がこんな良い物件を提供してくれたことに特に感謝しないといけません。自分で事務所を借りるのはとても大変です。日本の文化や制度は中国と違うので、いろいろな障害にぶつかります。そこで、起業したばかりの人が使えるこういう事務所を始めたら、自分にとっても商機になるのではないかと考えました。日本に戻った翌年の2015年、このような事務所を開設しました。

QO-BICからの支援はいかがでしたか?

日本に来て色々な問題にぶつかり、頼れる人もなく、最初は場所のことでO-BICに相談しました。O-BICのサポートはとても親切で、おかげで梅田のこんな便利な場所が見つかりました。後から知ったのですが、通常このような物件を見つけるのはとても難しく、特に来日して間もない、まだ最初の決算さえ済んでいない会社に貸してくれる所など普通はありません。O-BICの手厚いサポートのおかげで事務所をスムーズに借りられました。それから、事務所の内装を済ませ、起業したばかりの会社に貸すことにしました。

Qこれまでの業務をどのように評価されていますか?

天の助けか自分の運か、1年後には会社も軌道に乗り始めました。考えられる理由は、立地の良さと、お客様への誠実さです。特に事務所見学の方に誠意を持って対応しています。できる限り利益を還元する、お客様第一の理念で、順調に発展し、2年である程度の規模に達しました。この4年半には大変なこともありましたが、鄭板橋(鄭燮)の「損をするのは福である」という信念で、損をしても経験が得られると考えてきました。外に出てひとりで起業し、生計を立てるには、人のために考え、行動してこそ、自分の求めるものが得られます。仏教でも「何かを得るには、何かを捨てよ」と言いますが、ここ数年はずっとこの信念に支えられてきました。起業の面では、私は平凡ですが、運と友人に恵まれました。商機という点で、どんな業種であれ、要は「誠実」の一言に尽きると、この数年で学びました。ビジネスがこのまま安定して成長すれば、規模を大きくし、より良いサービスができるでしょう。日本に来たばかりで起業した人に対して、オフィススペースを提供できるだけでなく、思わぬ嬉しい商機も提供できると思います。弊社のようなオフィスを提供する企業は、公共プラットフォームのようなもので、この場を生かして情報や商機を交換できますから、利用者にとってはチャンスが増えるでしょう。これは私の経営理念でもあります。

Q大阪の生活環境や子どもの教育環境はいかがですか?

大阪に戻って来た理由のひとつが、娘の教育です。起業二年目で安定してきてから、娘と妻を呼び寄せました。娘の学校が問題で、ゼロから日本語を勉強することが必要でした。そのときは、日本の普通の中学に行けば、日本語の上達が一番早いだろうと考えていました。でも、色々調べ、観察した結果、娘には反発心があり、過渡期なしでいきなり新しい環境に放り込むと、反抗や諦めを持つのではと思うようになりました。ですから、まず娘を台湾華人が大阪に開いている大阪中華学校に入れることにしました。ここでは中国語での教育が行われ、台湾からの教師がいます。こうすることで、娘にとって過渡期ができ、日本語を学ぶだけでなく、中国語も2年間で強化されました。今思えばこれは成功でした。娘は中学を卒業し、比較的優れた高校に合格できました。今後日本に来ることを考えている人に伝えたいのは、特に教育については子供の意見をできるだけ尊重し、子供に余裕を、特に環境面での余裕を用意してあげて欲しいのです。もちろん、最初の2年間私立に通わせることで学費はかかりましたが、娘は心身とも健康で勉強を続けられました。いきなり日本の中学に入り、言葉が全くできないためにコミュニケーションが難しい、という子供の例も多数見てきました。そのような状況では勉強を諦めてしまいがちです。

Q大阪進出を考えている外国企業にメッセージをお願いします。

今後大阪に来て起業するのであれば、どの業種でもまず「天の時、地の利、人の和」をしっかり掴むことです。同時に、現地の団体や機構との関わりを密にすれば、回り道を減らせます。日本社会でも中国社会でも、「誠実さ」という点は共通です。皆さんもきっと得るところがあると思います。

中国語はこちらをご覧ください。CenterOfficeInterview_Chinese (PDF:150KB)

株式会社センターオフィス
設立 2014年
事業内容 レンタルオフィスの運営
URL http://startup-office.co.jp/